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【腐食】初心者でもわかる!プールべ線図の読み方・使い方

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腐食
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「難しい…」「読み方を調べたけど忘れてしまった…」
とっつきにくいプールべ線図ですが、実は腐食という現象を理解するための強力なツールです。この記事では、プールべ線図の基本から読み方、使い方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

「腐食ってどうして起こるの?」「プールべ線図って何に役立つの?」
そんな疑問をお持ちのあなたも、この記事を読めばプールべ線図をマスターし、腐食対策に自信を持てるようになるでしょう。

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プールべ線図とは

フランスの科学者マルセル・プールべによって、プールべ線図(Pourbaix Diagram)が考案されました。この図は金属の電位(電極電位)と水溶液のpHとの関係を示した図で、腐食や耐食性を予測する際に役立ちます。フランスの科学者マルセル・プールべによって考案され、現在では腐食防食分野で広く活用されています。
プールべ線図を用いることで、特定の環境下で金属がどのような状態になるのか(腐食するのか、不動態化するのか、安定なのか)を予測することができます。

プールべ線図と腐食の関係

腐食は、金属が環境と反応し、望ましくない変化を起こす現象です。プールべ線図を活用することで、

  • どのpHや電位範囲で金属が溶解(腐食)するのか
  • どの条件下で酸化物の保護被膜が形成されるのか
  • どの環境で金属が安定に存在できるのか

を判断できます。繰り返しになりますが、プールべ線図は、金属がどのような環境で腐食しやすいかを可視化する重要なツールなのです。

プールべ線図の読み方

プールべ線図は、縦軸に電位(E)、横軸にpHをとり、金属の安定性を領域で示したグラフです。それぞれの領域が意味するものを理解することで、プールべ線図を読み解くことができます。下には鉄のプールべ線図を貼っておきます。図を見ながら、読み進めてください。

鉄のプールべ線図

電位(ε)
電位は、金属の酸化還元反応のしやすさを示す指標です。電位が高いほど酸化しやすく、低いほど還元しやすいことを意味します。

横軸:pH
pHは、水溶液の酸性度・アルカリ性度を示す指標です。pHが低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性が強いことを意味します。

また、プールべ線図は、大きく分けて「腐食領域」「不動態領域」「安定領域」の3つの領域に分けられます。

  • 腐食領域: 金属がイオンとなって溶け出す領域です。この領域では、金属は腐食しやすく、耐久性が低下します。
  • 不動態領域: 金属表面に不動態皮膜が形成され、腐食が抑制される領域です。不動態皮膜は、金属を保護するバリアとして機能します。
  • 安定領域: 金属が安定な状態を保ち、腐食しない領域です。この領域では、金属はほとんど変化しません。

詳細な読み方は以下となります。

Fe領域(安定領域)
この領域では、鉄は安定な状態を保ち、腐食しません。非常に低い電位の領域に存在し、通常の使用環境では到達しにくい領域です。

Fe²⁺領域(腐食領域)
この領域では、鉄はFe²⁺イオンとなって溶け出し、腐食します。酸性の環境で起こりやすい腐食です。

Fe³⁺領域(腐食領域)
この領域でも、鉄はFe³⁺イオンとなって溶け出し、腐食します。Fe²⁺領域よりも高い電位で起こりやすい腐食です。

Fe₃O₄領域(不動態領域)
この領域では、鉄表面にマグネタイト(Fe₃O₄)の不動態皮膜が形成され、腐食が抑制されます。中性からアルカリ性の環境で、適切な電位範囲にある場合に形成されます。

Fe₂O₃領域(不動態領域)
この領域では、鉄表面にヘマタイト(Fe₂O₃)の不動態皮膜が形成され、腐食が抑制されます。Fe₃O₄領域よりも高い電位の領域で形成されます。

HFeO₂⁻領域(腐食領域)
この領域では、鉄はHFeO₂⁻イオンとなって溶け出し腐食します。強アルカリ性の環境で起こりやすい腐食です。

FeO42⁻領域
この領域については詳細は不明です。

鉄のプールべ線図のポイント

鉄のプールべ線図についてまとめると、以下の内容となります。

  • 酸性環境(pHが低い)では、鉄はFe²⁺イオンやFe³⁺イオンとなって溶け出しやすく、腐食しやすい傾向があります。
  • 中性からアルカリ性環境(pHが高い)では、不動態皮膜が形成されやすく、腐食しにくい傾向があります。
  • 強アルカリ性環境では、HFeO₂⁻イオンとなって溶け出し腐食します。
  • 電位が高いほど、鉄は酸化しやすく、腐食しやすい傾向があります。 電位が低いほど、鉄は還元しやすく、安定な状態を保ちやすい傾向があります。

プールべ線図の使い方

材料選択
使用環境のpHと電位を把握し、鉄が安定な領域にあるか、腐食しやすい領域にあるかを判断することで、適切な材料を選択できます。

腐食対策
pH調整や電位制御によって、鉄を不動態領域に維持することで、腐食を抑制できます。
電気防食や表面処理などの腐食対策を検討する際に、プールべ線図を活用できます。

腐食原因の特定
実際に腐食した鉄の腐食生成物を分析し、プールべ線図と照らし合わせることで、腐食の原因を検討できます。

注意点

プールべ線図は、あくまでも理想的な条件での安定性を示すものであり、実際の腐食現象は、温度、流速、イオン濃度、微生物などの影響を受けるため、注意が必要です。 また、プールべ線図は、腐食の速度に関する情報ではなく、あくまで、腐食が熱力学的に発生するかどうかを示しています。

まとめ

適切な対策を講じられるよう、プールべ線図の読み方を理解しましょう。この記事が役に立てば幸いです。
ご安全に!

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