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化学メーカーの現場で働くのに必要な知識はどんなの?

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 記事の要望があったので、理系の学生に向けて自分の考えを書いてみます。あくまで一人の若手エンジニアの意見ですのでご承知おきください。学生が気になる?資格に関しても自分の意見を最後に書いておきます。
 あと、最初にはっきり言いますが、研究内容そのものが活かされることはあまりないです!もちろんそういった場面はゼロではないし、研究を通して得られる知識や考え方はとっても役に立つので理系学生は安心して研究頑張ってください。

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前提として・・・

 化学プラントはどんな感じかイメージはつきますか?きっと化学系の学生は講義の一環で、大学の近くにある会社の工場見学に行くと思うので、よく見て社員さんにたくさん質問しましょう!出身分野に関係なく、エンジニアとして働くうえで現場で起きる現象のイメージを持てるかはとても大事なので就活の時にはたくさん工場見学行くことをお勧めします。

 僕が担当するプラントでは数MPaの原料や蒸気を使って製品を製造しています。そんな現場ではもちろん高温高圧の箇所があるため、排熱回収や蒸気発生のための熱交換器があり、蒸気用の水を供給するポンプ、動機器を冷却するための水を冷却する設備といった、様々な設備・機械があります。そしてこれらを動かすための電気、流量や温度・圧力を計測・コントロールをするための計装設備があります。何が言いたいかというと、プラントの中には様々な技術的要素があること、理系出身なら何かしらほぼ必ず自分の専攻に近い分野の要素があり、強みを活かして働けるということです!そして現場で経験積んでいくことでエンジニアとして総合的な知識が高いレベルで身につくということ!

どんな内容が役に立ったか

 意外かもしれませんが、学科共通の必修科目や高校時代の数学・物理です。要は基礎は大事!どこ行っても通用するから基礎なんですね。化学ももちろん役に立ちましたが自分の専攻だったので、これは後で。

高校での勉強内容

 高校時代の内容について、まずは数学。これは特に微積ですね。計算が正しくできるか?というのは大事ではないです。難しい計算はそれ用のツールを使うなり依頼すればいいし、そもそも必要になることはそこまで多くありません。簡単なものはエクセルでも関数電卓でも処理できます。大事なのは、使う式や、計算して出た数値の意味、実際の現象とマッチしているか?と考えること。まぁ理系の学生、特に研究室に入ると日常的にすると思うので、今更って感じですね。
 物理は思ったより役に立ちました!オームの法則、共振回路、ブリッジ回路、電磁誘導、波動、圧力、エネルギー保存則等々。高校の力学でマノメータやベンチュリ管の考え方とかやりましたよね?あれくらいの基礎レベルの知識が頭に入ってるだけで現場の要素技術の理解度が全然違います。

大学での勉強内容について

 これは学科関係無く勉強する科目ですね。高校からの流れのまんまですが、物理、数学、化学等々。これは大学によっていくらか違いはあると思いますが、1年生の頃勉強した、学科共通の科目でイメージしてもらえば問題無いかと思います。
 自分の場合は化学、化学工学が専攻なので、それらももちろん役に立ちました。

もっと色んな分野を興味持って勉強すればよかった・・・

 会社に入って技術者として働いていると毎日のようにこう思います。それはどんな場面か?自分の専攻ではない分野の知識がないと業務が進まない、学科基礎レベルの知識が無い時が多いです。例えばプラントにある機械の構造、動作のイメージができず、なぜ不具合が起きたか、放置するとどうなるかわからない。といった感じですね。機械系出身の人には当たり前にイメージできるかもしれませんが、僕は機械関係に弱いのでこういったことがよくあります。こんなときには社内にいる各分野の専門家にたくさん質問して解決していきます。
 これは自分の感覚ですが、社内にはたくさんの、色んな分野出身の人がいますので、誰に聞いたらいいか覚えて、たくさん質問してたくさん経験して知識を付けていけば何とかなりそうです。ベテランの人でもわからない、知らないことあります。3年目の僕にも専攻分野に近い化学や触媒について聞いてくれますよ。読者の方、少し安心したでしょう?笑

資格について思うこと

 危険物とか、エネ管とか色々ありますが、ぶっちゃけ学生が取る必要はないと僕は思います。無いよりはあった方が、働いた後に時間を取って勉強しなくてもいいし履歴書に書けるし自信にもなるかもしれません。ただ、腕試し程度の気持ちで受けるならまだしも、勉強や実験、バイトの時間を削ってまでやるようなもんでは無いと思います。資格試験は会社に入ってからでも間に合いますし、仕事と試験対策がリンクしてるほうがモチベーションも保てます。
 それより、たっぷり時間がある中で基礎知識や研究に関する知識を深めたり、たくさん実験しましょう。考えて手を動かして、結果を見てまた考えて、わからなかったら教科書や論文読んでまた考えて・・・を繰り返す方がよっぽど有益です。そして他人の金で学会という名の旅行に仲間と行き、論文を書いて奨学金免除してもらいましょう。

最後に

 理系向けでかつ一般的な内容で書いてみました。意外と基礎レベルの知識があれば活躍できるというイメージを持ってもらえたでしょうか。また、化学系だけでなく機械や電気出身の学生も化学メーカーで強みを活かして働けるよ!というのも伝わればと思います。食品・飲料系のメーカであれば生物系も強みを活かせるでしょう。少しでも現場配属もいいかもと思ってもらえたら嬉しいです。

 ご安全に!

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