今回はアセチレンと同じくらい頻出の酸化エチレン(エチレンオキサイド、EO)について紹介します!酸化エチレンもたまに高圧ガスの定義の部分で出題されることもありますので、しっかり押さえていきましょう。
性質
1.有毒
試験ではあまり問われてないと思いますが、取り扱ううえでは要注意です。
2.分解爆発性
アセチレンと同じく分解爆発性を持っています。常温大気圧下での爆発範囲は3.0~100 vol%で、アセチレンとほぼ同じですね。分解爆発性についてはアセチレンの記事に記載あるのでよかったら見てください。
高圧ガス試験対策 アセチレン
酸化エチレンについては分解爆発の反応式が出題されています!式は3種類ありますが、酸化エチレンからメタンと一酸化炭素ができると覚えておいて式はその場で作りましょう。他に暗記すべき内容はいくらでもあるので。仮に暗記するなら下記に示した式のうち、上2つが覚えやすいと思います。
C2H4O→CH4+CO
C2H4O→1/2C2H4+CO+H2
C2H4O→1/2C+1/2CH4+CO+H2
3.保存・取り扱い方法が特殊
酸化エチレンも特殊な取り扱いをするので、よく試験で出題されています。酸化エチレンの容器や貯槽には不活性ガスである窒素や二酸化炭素を希釈剤として加えなければなりません。また、容器から取り出す場合も、気相から取り出してしまうと不活性ガスの濃度が低下し爆発防止の効果がなくなってしまうため、液相から取り出す必要があります。
用途
主要な用途はエチレングリコールの原料です。エチレングリコールはポリエチレンテレフタレート、すなわちPETの原材料で、PETボトルやフリースなどの素材となります。他にはエタノールアミン、ポリエチレングリコール類、グリコールエーテルなどの原料として使われています。
コロナ関係でちらほら酸化エチレンの名前を目にしたので調べたのですが、医療用にも使われているようです。医療現場では滅菌ガスとして用いられています。すべての生物に対して殺菌効果を有し、かつ常温で気体であるため、加熱滅菌ができないプラスチック・ゴム製品、光学機器の滅菌剤として使われます。
製造法
エチレンを酸素と反応させて製造します。アルミナ担体に銀を担持させた触媒を利用し、1~3MPa、200~300℃で反応させることで酸化エチレンを得ることができます。
追記
加圧により液化した酸化エチレンは高圧ガスとしての取り扱いが必要になることがあります。それは、温度35℃において圧力が0PaGを超える場合です。特例的な扱いであまり試験で出題されていませんが、一応紹介しておきます。
液化ガスのうち、このような特例的な扱いをする液化ガスは3種類あり、それは酸化エチレン、シアン化水素、ブロモメチルです。
最後に
分解爆発性の繋がりから酸化エチレンについて記事にしてみました。分解爆発性や、容器からの取り出し方法等がよく出題されているので、確実に覚えていきましょう
ご安全に!
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