今までは試験の概要や難易度、準備期間等について記事にしました。今回は学識の試験で出そうな内容についてのみざっくり紹介します。
学識の分野について
学識の科目は大きく分けて以下の6つです。一つ一つが十ページ以上の内容であり、全て理解して試験に臨むのは中々ハードです。検定試験の場合は講師が説明したポイントを中心に、国家試験の場合は過去問を参考に、計画的に勉強しましょう。
① 気体の一般的性質
② 気体の熱力学
③ 気体の化学反応
④ 燃焼・爆発
⑤ 毒性ガス
⑥ ガス各論
上記の6つの中で、⑤はほとんど出ません。⑥と内容がいくらか被るためかと思います。
それぞれ、どんな内容か、ポイントは何かうす~く紹介します。
① 気体の一般的性質
①-1 理想気体の性質
ボイルシャルルの法則、理想気体の状態方程式は必須です。物性については、モル熱容量およびマイヤーの関係が頻出です。また、昨年の国家試験では混合気体の物性推算について出題されています。はっきり言って点取り問題なので求める物性、基準となる単位(モル基準か質量基準か)について注目し、慎重に計算しましょう。
①-2 実在気体の性質
ここで理解すべきは2つです。1つは実在気体のpVT関係の図(p-V関係およびp-T関係)は理解しましょう。実在気体の状態方程式は、検定では出題時に式が与えられるので、式を暗記する必要はありません。
もう1つは対応状態原理とZ線図の利用法です。これらは過去に出題されていますし、テキストの演習問題にもあります。
①-3 気液平衡
ラウールの法則およびヘンリーの法則は、計算問題で頻出です。昨年の検定試験に出題されました。また、蒸気圧・沸点・気化熱に関しては、用語を押さえておくようにしましょう。語句の意味を記述する問題がたまに出ます。
② 気体の熱力学
ここが鬼門ですね。僕もあまり好きではありません。確実に何か出るので頑張りましょう。
②-1 エネルギー保存則
②-2 熱力学の第二法則
②-3 エントロピー
この3つは内容をざっと把握したら、例題や過去問を解いてみて、式の使い方を体得するようにしましょう。式自体は難しくないので演習の数をこなして使い方を習得するのが大事です。やってるうちに理解が進むと思います。演習の際は符号のミスに気を付けて。
②-4 自由エネルギーと化学ポテンシャル
ここはあまり出ません。検定講習で重点的に説明されたら勉強しましょう。ギブズエネルギーと化学ポテンシャル、クラウジウス-クラペイロンの式あたりを理解できれば大丈夫。
②-5 気体の状態変化
②-6 (逆)カルノーサイクル
この2項目は同じようなもんです。等温変化、定圧変化、定容変化、可逆断熱時の仕事について、しっかり式を理解しましょう。カルノーサイクルは図に従って「A→B, B→Cのときに行った仕事、pやVの変化量を求めよ」といった形で出題されます。なので、サイクルの図をしっかりと理解しておきましょう。カルノーサイクルにおける効率についても出題されるので、定義から押さえておきましょう。昨年の検定では逆カルノーサイクルについて成績係数、効率を求める問題が出されています。
③ 気体の化学反応
③-1 化学量論
③-2 熱化学
頻出ですね。計算問題を何個も解いて解き方を理解しましょう。燃焼熱や反応熱は問題解くついでにざっくりした値を覚えてしまうと、試験本番で検算できて便利です。
例
メタンの燃焼熱:大体890kJ/mol
水性ガスシフト反応:大体40kJ/mol
COの燃焼熱:大体280kJ/mol
③-3 化学平衡
ここも、問題を解いて理解を深めましょう。ルシャトリエの法則は頻出です。平衡に及ぼす添加物の影響や、温度・圧力変化の影響は、よく出題されるので押さえておきましょう。また、平衡状態になった際の系内組成を計算する問題も出題されています。
③-4 反応速度
一次反応式の解き方(微積分含めて)、アレニウスの式あたりを押さえておけば十分でしょう。
最後に
学識の出そうなところをまとめてみました。結構なボリュームなので記事を2つにわけました!もう1つの記事もぜひ見てくださいね笑
ご安全に!
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