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重油の添加剤って何があるの?

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燃焼
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 燃料油添加剤は一般に液体燃料,とくに重油などを対象にボイラ,加熱炉や,焼却炉などでの燃料に起因する障害を抑制するために用いられます。ここでは,ボイラを対象に低質重油による障害と添加剤について紹介します。

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燃料促進剤

 触媒作用によって燃焼を促進し、ばいじんの発生を抑制します。

水分分離剤

 重油中に水分が懸濁もしくは乳化状態で含まれていると、燃焼が不均一になったり、重油のヒーター中で分離した水が失火の原因になったりします。この水分を重油貯蔵タンクなどで分離し排出するために水分離剤が使用されます。これは解乳化剤(エマルション・ブレーカー)とも言われるもので、W/Oエマルションを破壊して水分を凝集・沈降させることにより、重油中から水分離を容易にするものです。重油中の界面活性物質や重油の組成によって解乳化剤の効果が異なるので、その使用に際しては事前の解乳化試験が必要になります。

スラッジ分散剤

 重油に含まれるアスファルテン、レジンなどの高分子量のものが、重油中で溶解、分散せず貯蔵中に分離し,タンク底部にスラッジとして堆積します。このスラッジが燃料配管へ入ると,ストレーナを詰まらせたり,重油ヒーターに付着したり、バーナーの噴霧を不均一にしてバーナーチップの汚れ、不完全燃焼などを起こします。そのため、ドライスラッジを重油中に均一に分散させ、析出を防止する分散剤(界面活性剤)が使用されます。

ばいじん防止剤

 重油中のスラッジ成分(残留炭素)が増加すると、噴霧燃焼時にセノスファと呼ばれる未燃カーボンを生じやすくなり、ボイラ排ガス中のばいじん量が増加します。これを防止するために前に述べた分散剤や、金属化合物を主成分とする燃焼促進剤が使用されます。一般にはアルカリ土類金属の化合物が用いられ、重油の熱分解促進作用および燃焼の触媒作用によって未燃カーボンを抑制します。

 最近は未燃カーボンの発生量を増加させずに低酸素運転を行うために,この種の添加剤が使用される傾向にあります。

 ちなみにセノスファとは、油滴が蒸発した後に残る、残炭形のばいじんです。気相反応によって生成される炭素よりはるかに大きく、数μm~数百μm程度の大きさで、噴霧液滴の大きさに関係があります。

 灰分改質剤と腐食防止剤

 重油に含まれる灰分(V,Na,Ni,Ca,Feなど)が,炉内の高温伝熱面に厚く付着して伝熱障害による熱効率の低下を招きます。その上、このスラッグは硬くしかも配管に密着して除去に手間と時間がかかり、定時検査時のクリーニングコストが増加する原因となります。また,VとNaを主成分とする低融点の化合物は高温部材質を酸化腐食(バナジウムアタック)し、チューブの寿命を短くし、激しい場合にはチューブの破損事故の原因となります。

 もう一つの問題は低温腐食と、ボイラの低温部(ガス/エアーヒーター、煙道、煙突)が燃料油中の硫黄化合物の燃焼の結果生じた硫酸により腐食を生じるものです。この硫酸の生成量は燃料の硫黄含有量、過剰空気量、ボイラ負荷、排ガス温度、ボイラの構造などによって影響されます。さらに,前述の炉内灰分もこの硫酸生成率に関与しています。それは,炉内灰分がSO2→SO3の酸化触媒作用を持っているためです。とくに問題となるのは,加熱,冷却の繰り返しを受けるガス/エヤーヒーターのエレメントで、減肉の問題だけでなく、エレメントの詰まりが発生して一年間の連続運転ができない場合もあります。

流動点降下剤

 流動点を降下させ、低温における流動を確保します。これにより重油の予熱や移送に必要なコストを下げます。

最後に

 ボイラーの勉強をして初めて、重油のハンドリングには添加剤が重要な役割を果たしていることを知りました。具体的にどんな物質が使われているかまでは調べませんでしたので、興味のある方、取り扱っている方はぜひ調べてみてください。

 ご安全に!

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